化学工学論文集
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環境
廃蛍光体粉からのレアアースの浸出と分離・回収
服部 誓哉村山 憲弘芝田 隼次
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2013 年 39 巻 5 号 p. 472-478

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抄録

蛍光体にはレアアースである Y3+, Eu3+, La3+, Ce3+ および Tb3+ が含まれているが,ほとんどが埋め立て処分されている.蛍光体中に含まれる La3+, Ce3+ および Tb3+ はリン酸塩であり,これらが難溶性であるため,溶解させるには高温,高濃度の酸またはアルカリを用いなければならない.蛍光体からレアアースを浸出させ,分離・回収する環境に優しいプロセスの構築が望まれる.
本研究では,廃蛍光体からレアアースを浸出させ,レアアースを効率的に分離・回収するプロセスの開発を目的とした.蛍光体を 50˚C H2SO4 で浸出させることにより酸化物として存在する Y3+, Eu3+ を90%以上溶解することができた.残渣の La3+, Ce3+ およびTb3+のリン酸塩はNaOH添加によるメカノケミカル処理を適用することにより,生成物を希薄な酸で浸出して,La3+, Ce3+ およびTb3+の90%以上の浸出率を得た.Y3+とTb3+はPC-88Aを用いて抽出し,それぞれの有機相に晶析剥離操作を適用することにより,Y2(C2O4)3およびTb2(C2O4)3として晶析回収した.抽残液中のEu3+はシュウ酸塩沈殿法により沈殿回収し,Ce3+とLa3+についてはCe3+を4価に酸化したのちに水酸化物沈殿として回収し,La3+をシュウ酸塩沈殿として回収した.

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© 2013 公益社団法人 化学工学会
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