1991 年 48 巻 8 号 p. 517-523
ポリビニルアルコール (PVA) とポリ (L-グルタミン酸ナトリウム) (PSLG) との濃厚混合水溶液を作製する際, 加圧・加熱により相分離が生じ, 得られる凝集相をメチルアルコールに浸漬後, 再び水中で膨潤すると強靱なハイドロゲルとなることを見いだし, このゲルの形成条件を知るため相図を求めた. このハイドロゲルはすべてのPSLG分率において反復凍結解凍により得られるPVAハイドロゲルよりも弾性率は大きい. このような高い弾性率を示す理由はPVAとPSLGとの相互作用領域の形成と, 束縛水の増大が重要な役割を果たしていることを明らかにした.