高分子論文集
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一般論文
ヘキサデカン内包カプセル粒子の合成と蓄熱材への応用
荻野 由美子鈴木 登代子大久保 政芳
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2007 年 64 巻 3 号 p. 171-176

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抄録

これまで当研究室では中空構造を有する高分子微粒子の作製に関する Self-assembling of Phase Separated Polymer (SaPSeP)法と呼称する一連の検討の中で,カプセル壁の構成ポリマーの貧溶媒であるヘキサデカン(HD)を用いると,HD を内包した中空粒子を一段階で作製できることを明らかにしている.HD をはじめとする高級パラフィンは,その相転移に伴う潜熱量の高さから蓄熱材料として注目されているが,カプセル化により,過冷却の発生や潜熱量の大幅な低下が起こるとされている.本研究では,SaPSeP 法を用いた懸濁重合により HD を内包したポリジビニルベンゼン(PDVB)カプセル粒子を作製し,それらの問題について水媒体系での基礎的検討を行い,カプセルの粒子径や壁成分が過冷却や潜熱量低下の程度に大きな影響を与えることを明らかにした.

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© 2007 公益社団法人 高分子学会
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