理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
痙性両側麻痺型脳性麻痺児におけるPhysiological Cost IndexとTotal Heart Beat Indexの再現性
木元 稔野呂 康子加藤 千鶴近藤 堅仁中野 博明松嶋 明子坂本 仁佐々木 誠
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2009 年 24 巻 5 号 p. 653-658

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抄録

〔目的〕本研究の目的は脳性麻痺児(以下,CP児)を対象として,歩行時の効率を示す指標であるPhysiological Cost Index(以下,PCI)とTotal Heart Beat Index(以下,THBI)の再現性を検討することである。〔対象〕対象は実用歩行が可能な痙性両側麻痺型脳性麻痺児8名とした。年齢の平均値±標準偏差は11.3±3.5歳(範囲:6歳7ヶ月~17歳11ヶ月)であった。〔方法〕第1日目に安静時脈拍数と,10分間の歩行中の脈拍数と歩行距離を測定し, 得られたパラメーターをそれぞれ平均した。測定を第1日目に2回行い,3~7週間後(以下,第2日目)さらに1回測定した。第1日目と第2日目のPCIとTHBIから,級内相関係数(intraclass correlation coefficient;以下,ICC)並びにsmallest detectable difference(以下,SDD)を求めた。〔結果〕PCIにおけるICC1,2とSDD%は0.55と80.8%であり,THBIにおいて0.90と25.8%であった。〔結語〕THBIのICC1,2がPCIのそれよりも高く,またSDD%がPCIのそれよりも低かったため,CP児における歩行時の効率を示す指標として,THBIのほうがPCIよりも再現性が高いと考えられた。

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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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