2019 年 75 巻 2 号 p. I_391-I_396
2018年7月豪雨において,江の川では川本観測所で観測史上第1位の水位を記録する大規模な出水が発生した.本研究ではこの出水前後に江の川の土師ダム下流から三川合流部の区間(約38km)におけるオオカナダモの被度をUAVを用いて調査を実施した.大規模出水時のオオカナダモの被度は全域で大幅に減少したものの,局所的にはオオカナダモが残存することが明らかとなった.ピーク流量時の流れの再現シミュレーションを実施し,オオカナダモの流失率と無次元掃流力・流速の関係を検討した結果,無次元掃流力と正の相関があり,出水時に無次元掃流力が高い地点はオオカナダモの被度が大幅に減少することが明らかとなった.