1995 年 1995 巻 512 号 p. 73-82
道路交通流に対する車線別の大型車の影響を定量的に把握する方法については, 種々の推定規準による提案がなされてきた. 本研究においては, 先ず, これらの各種アプローチについての現象論的妥当性について論じて後, 都市間高速道路の自動車交通流を対象にして, 論理的説得性の観点から比較的欠陥の少ない推定規準である, 交通量・容量比規準による分析を行い, その結果について考察した. 次いで, 車線別に得られた推定結果をもとに, 複数車線から成る方向別交通流における大型車の影響度を統括する推定方法について提案し, その現象論的特性について実証的な分析結果に基づく考察を行い, 道路断面における大型車の影響度の定量的な把握を行った.