土木学会論文集C
Online ISSN : 1880-604X
ISSN-L : 1880-604X
和文論文
火山灰質粗粒土の粒子破砕による間隙構造の変化と定量化に関する研究
中田 隆文三浦 清一
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 63 巻 1 号 p. 224-236

詳細
抄録

 本研究では,圧密・せん断による火山灰質粗粒土の粒子破砕の要因を検討するために,構成粒子内の間隙を定量的に評価し,粒子破砕による間隙構造の変化を調べている.ここでは特に,火山灰質粗粒土の間隙比の定量化のために間隙比測定試験を実施するとともに,破砕性の異なる2種類の火山灰質粗粒土に対して行った一連の三軸試験から,クリープ挙動と粒子破砕のかかわりを解明することをめざした.その結果,火山灰土の構成粒子内には開口した内間隙(開口内間隙)と閉塞した内間隙(閉塞内間隙)が存在し,このような粒子内の間隙比の大小がクリープ特性に密接な関係があることを示した.なお粒子破砕特性は,主にクリープ開始時の開口内間隙比に支配されるものの,クリープ載荷中では閉塞内間隙比の確実な減少が認められた.

著者関連情報
© 2007 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top