体長の代わりに相対胴周長を用いて網目選択性を求めた東海の結論(網目選択はほぼ相対胴周長0.5∿1.0の間で行われる)を, 以西底曳網漁業20魚種の網目選択性データを用いて検証し, さらに魚体横断面形状と網目形状の相対的関係が網目選択性に及ぼす影響を検討した。東海の結論は特殊な魚種を除いたほぼ全てに適合した。また50%相対胴周長と魚体横断面係数の間には, 魚体横断面と最も合う網目の縦横比をモードとするドーム型の関係があり, 選択性レンジは最大胴周長を示す魚体部位の堅さなどに関わることが示された。この関係を考慮したマスターカーブから, 網目選択性曲線をより精度良く推定できる。また, 菱目と角目の選択性を理論的に比較して, 魚体横断面が丸い魚種では角目で, 扁平な魚種では菱目で網目を抜けやすいとの示唆を得た。