2011 年 77 巻 4 号 p. 647-655
北九州市洞海湾で 1980~2007 年までの 28 年間に毎月 1 回,水質・赤潮調査を行った。TN と TP は有意に減少したが,赤潮が高水温期に発生するパターンに変化は生じていなかった。また,栄養度の低下に伴い優占種の珪藻 Skeletonema spp. の赤潮形成頻度と細胞密度は減少し,一方,珪藻小型種の Thalassiosira spp., Chaetoceros spp., Cyclotella spp. およびラフィド藻 Heterosigma akashiwo などの出現が増加し赤潮構成種が多様化してきた。