1998 年 67 巻 1 号 p. 112-115
サギソウのプロトコーム期の生育に促進効果の認められたラン菌根菌931202A株の生育促進効果を'青葉'系と'玉竜花'系で比較した.'玉竜花'系は4倍体品種であり, 2倍体である'青葉'系に比べてプロトコーム期の生育は旺盛であった.その差異は, 菌根菌がプロトコーム内に感染しやすく, 通道組織の発達も早く, さらにトリポファギーの形成が急激に進行することにあると思われた.サギソウの初期生育を促進する要因としては, 菌の種類や菌株による効果の差異の他に, サギソウの側にある生理的な差異も重要であると思われた.