紙パ技協誌
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総説・資料
オゾン漂白の功績
エミール ゲルマーアレクシス メタイスジーンクリストフ ホスタシー
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2011 年 65 巻 8 号 p. 780-787

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抄録

環境規制の圧力と無塩素漂白(TCF漂白)の波が押しよせて,最初のオゾン漂白設備が稼働したのはもう20年前になる。多くの新技術と同様に,オゾン漂白は技術面での最適効率を直ぐに達成することができず,初期段階で幾つかの問題に直面した。パルプとオゾンガスとのミキシング技術を向上させ,パルプ成分とオゾンとの反応化学についての理解を深め,プロセス全体をチューニングすることによって,オゾン漂白を組み入れたライトECF漂白は,従来のECF漂白パルプと同等か,若しくはより良い品質のパルプを製造出来るようになった。現在でもオゾン漂白を選択するのは環境規制が動機になっているが,化学薬品コストを下げて経済的メリットを得るのが主たる理由である。オゾン漂白を導入すれば,環境負荷とコストの両方の削減目標を同時に達成できる。本報告は実機情報に基づいて1992年以降のオゾン漂白の進歩を記述し,オゾンが何故,最新漂白プロセスの「かなめ」と見なされるようになったのかを述べる。

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© 2011 紙パルプ技術協会
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