地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
特集号論文(一般投稿)
緩い砂埋戻し地盤の辺縁部の液状化に伴う地盤変状の特徴
尾上 篤生蔡 飛中島 美代子西川 昌芳鳥越 崇米田 久美子
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 7 巻 1 号 p. 175-184

詳細
抄録

2011年東北地方太平洋沖地震によって著しい液状化被害を被った千葉県旭市において,各所の砂鉄掘削埋戻し地域の地盤変状を調査した。調査内容は,被災者へのヒアリング,スウェーデン式サウンディング,液状化層を構成する砂の物理的および力学的性質,ならびに地盤変状の測量である。調査によれば,これら地域の砂層は本震によって液状化に至った地点と,その約30分後の最大余震によって初めて噴砂に至った地点とがあったことが分かり,このことを数値解析的に再現した。また,砂鉄掘削埋戻し地域と非掘削地域との境界近傍における掘削埋戻し側の地盤変状は,隆起と陥没,および地すべりが顕著であった。これらのうち隆起と陥没は,液状化に伴う地盤変状として従来から良く知られた質量の差による隆起や陥没と原因が異なり,非液状化地盤に囲まれた液状化地盤の端部に特徴的な現象であった。

著者関連情報
© 2012 公益社団法人 地盤工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top