住民が廃棄物処理施設について感じる迷惑感の広がりとそれに影響を与える要因を, 住民に対するアンケート調査をもとに検討した。生存分析モデルにより最終処分場までの距離と反対率の関係を求めたところ, 1km, 20kmにおける反対率は76%, 12%であり, 処分場に対する否定的態度が広範囲に及ぶことが示された。焼却施設への反対率は処分場と同等であったが, リサイクル施設では小さかった。また, 処分場と焼却施設では回答者の約半数にNIMBY的態度が見られた。処分場への反対率に影響を持つ要因は, 処分場のリスク認知, 立地計画の手続不備の認知, 地域エゴへの反対姿勢, 身近な廃棄物問題の経験であり, 行政や事業者への信頼感, 廃棄物問題への責任感, 処分場の必要性の認知の影響は見られなかった。このことから, 一般論としての施設受容と立地を想定した場合の施設受容では, 施設に対する態度を決定する要因が異なる可能性が示唆された。