応用地質
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室内試験による堆積岩の透水異方性評価について
末永 弘木方 建造岡田 哲実
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2002 年 43 巻 5 号 p. 284-292

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抄録

地下深部から採取された堆積岩のボーリングコアを用いて, 室内透水試験を行った. 岩石の堆積面に対して鉛直・水平方向の透水性の違い, すなわち透水異方性を評価するために, ボーリングコアを孔軸方向と, これに直交する方向に成形し, それぞれの透水係数を測定した. この結果, 水平方向の透水係数は鉛直方向のそれよりも大きいことが示された. また, 試料の採取方法の違いが透水異方性の評価に与える影響を検討した. この結果, 細粒砂岩, 泥岩の場合, 同一の試料を用いて鉛直・水平方向の透水係数を測定した方が, 近傍から採取した2種類の試料を用いて測定するよりも適切に透水異方性評価が行われると考えられる. 次に, 間隙率・弾性波速度と透水係数・透水異方性との相関を求めたところ, 透水係数とS波速度との問にやや負の相関があることが明らかとなったものの, 間隙率・弾性波速度と透水異方性には相関がほとんど見られなかった.

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© 日本応用地質学会
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