応用地質
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幌内層泥岩の風化変質と劣化
林 謙二山 真典米田 哲朗
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2005 年 46 巻 4 号 p. 198-206

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抄録

北海道中央部に位置する幌内層は古第三紀始新世の海成泥岩からなり, その風化状態から強風化帯, 中風化帯, 弱風化帯, 未風化帯の4つに区分されている. その区分は各風化帯における泥岩中の緑泥石の性質変化とも対応する. さらに泥岩中の黄鉄鉱および方解石の含有量は, 風化が進行するに従って減少する傾向を示し, とくに強風化帯ではこれらの鉱物が溶解し除去される. それらは黄鉄鉱の酸化による硫酸生成が原因と考えられる. 亀裂が発達している風化泥岩ほどスレーキング実験による劣化が著しく, 容易に崩壊する. 緑泥石の鉱物学的性質および泥岩の化学組成は, 幌内層泥岩の風化指標になると考えられる.

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© 日本応用地質学会
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