日本イオン交換学会誌
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一般論文
ナイロン繊維にグラフト重合したポリグリシジルメタクリレートへのN-メチルグルカミン固定反応に適する溶媒の選択
池田 浩輔梅野 太輔斎藤 恭一菊池 隆安藤 清人須郷 高信
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2011 年 22 巻 3 号 p. 81-86

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抄録

  水溶液中のホウ素を除去するために,N-メチルグルカミン(NMG)を直径 25 μm のナイロン繊維にグラフト重合したポリグリシジルメタクリレート(ポリ GMA)鎖に固定した。1,4-ジオキサン,イソプロパノール,N,N-ジメチルアセトアミド,テトラヒドロフラン,およびジメチルスルホキシドの 5 種類の溶媒と水との混合溶媒を,NMG の固定のための反応溶媒として使用した。ジオキサンおよびイソプロパノールと水との体積分率を 8:2 とした混合溶媒を使って調製した 0.2 M NMG 溶液を使用したとき,ポリ GMA 鎖中のエポキシ基からキレート形成基へのモル固定化率はそれぞれ 74 および 68% となった。NMG 基密度 1.9 mmol/g のナイロン基材キレート繊維のホウ素溶液初期濃度 150 mg-B/L に対する平衡吸着容量は 12 mg-B/g となり,これはホウ素と固定化 NMG との結合モル比 0.66 に相当した。

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© 2011 日本イオン交換学会
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