日本イオン交換学会誌
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一般論文
カチオン交換ポリマーブラシ搭載粒子および市販カチオン交換ビーズの充填カラムを使った溶出クロマトグラフィーでのタンパク質の分離度の比較
染谷 孝明岡村 雄介和田 剛霜田 祐一梅野 太輔斎藤 恭一篠原 直志久保田 昇
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2013 年 24 巻 1 号 p. 14-20

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抄録

放射線グラフト重合法によって,基材として平均粒径 60 μm のポリエチレン粒子を用いてカチオン交換ポリマーブラシ搭載粒子(カチオン交換粒子)を作製した。モデルタンパク質として chymotrypsinogen A, cytochrome C,および lysozyme を,カチオン交換ポリマーブラシ搭載粒子充填カラム(断面積 0.20 cm2,充填高さ 1.5 cm)に負荷し,リン酸緩衝液および 1.0 M NaCl 溶液を用いて勾配溶出をおこなった。同一のカラム圧力損失となるように充填したカチオン交換粒子および市販のカチオン交換ビーズ(SOURCE 30S, GE Healthcare(株)製)の充填カラムを使って分離性能を比較した。カチオン交換粒子充填カラムは SOURCE 30S 充填カラムに比べて,高い線速度および高いタンパク質総負荷量でも,chymotripsinogen A/cytochrome C および cytochrome C/lysozyme の組み合わせで分離度が高かった。

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© 2013 日本イオン交換学会
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