生理心理学と精神生理学
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精神的ストレス負荷時の血行力学的反応パターンとコントロール可能性
松村 健太澤田 幸展
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2004 年 22 巻 3 号 p. 247-255

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抄録

5分間の暗算課題 (連続引き算) 時の血行力学的反応パターンが, 2つのグループにおいて調べられた.それぞれのグループは12人の男子学生から構成されており, 一方は, 部分的コントロール可能 (PC) 条件, もう一方は, コントロール不可能 (UC) 条件に対応していた.PC条件では, 解答毎にフィードバックが与えられ, 一定の時間内に課題を終えるよう急がされた.そして, 要求された速度に満たない場合には, 20s毎に嫌悪刺激が与えられた.対照的に, UC条件では, フィードバックが与えられず, 特定の時間内に課題を終えるよう急がされることはなかった.ただし, 対にされたPC条件の被験者と同一のタイミングで嫌悪刺激が与えられた.予想された通り, PC条件の被験者は心臓優位反応パターン (血圧上昇が, 主に心拍出量の増加によるもの) を示した.ところが, 予想とは異なり, UC条件の被験者も同一の反応パターン傾向を示した.これらの結果から, コントロール可能性が血行力学的反応パターンに与える影響について考察した.

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© 日本生理心理学会
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